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二胡を買う

ひょんなことから、二胡教室に通うことになった。元来音楽好き、楽器好きなので、チェン・ミンや女子十二楽坊がテレビで演奏してると注視するのだが、自分で弾いてみたいとはまったく思わなかった。ところが、いつも中国語を習っている同じ場所で新しく教室が開かれることになったのだ。以前に友人が「二胡を習いたい・・」と言っていたことを思い出した。彼女は今習いに行く環境に無いようだけど、私は家から徒歩圏で安く習うことができる・・・と思ったら、これも何か縁かもしれないので、やってみようかという気になった。家人にこのことを告げたら「行けば?」・・・もっと興味を持ってくれると思ったのに、あっさりしたもんだ。しかも私がこう言ってるのに(言ったから?)、自分はさっさとバイオリン教室に通うことを決めてしまった。1回4000円、月2回である。
ああ、こっちはまだ楽器を買わなきゃいけないのに・・・・しかし、その楽器選びも台湾旅行の準備ですぐには始められなかった。楽器代と月謝の出費も痛いけど、二胡教室とバイオリン教室が違う曜日に行なわれるので、週に2日も夕飯を別々に取らなきゃいけなくなることもちょっぴり負担だった。「チンして食べてね」なんて書置きを今までしたことが無いのである。やっぱり、辞めとこうかなぁ~なんて思いかけたとき、家人はバイオリンの先生に私が二胡を始めることを話していた。。(゚o゚)




まずは「二胡」でGoogle検索。日本二胡振興会なるものが存在していて、そこのリンク集から初心者向きの二胡は2万円弱から上級者向けの高いものは50万円ぐらいのものが売っていることがわかる。しかし、お金が無いからって一番安いものにすぐ飛びつく気持ちもなかった。子供のころに1万2千円のフォークギター(死語?)を買ってもらって、Fが抑えられなくてギブアップした自分を知っている。いま、家人のギブソンと比べると素人目にも弦高が高くて弾きにくそうなギターであった。だから、初心者こそ、そこそこの値段の楽器を選んで買う必要があるのだと思う。それと、安い二胡は糸巻きのところが金属になっているのである。私がテレビで見て知っている二胡は木製の糸巻きである。音の鳴りもさることながら、見た目がカッコイイものが欲しい。竿は黒光りして、素材はできるだけ天然のもの。蛇皮の模様や花窓(蛇皮の反対側にある、木製格子のこと)の形だってこだわりたい。。。

梅田に出た時に楽器屋さんに寄ってみた。ウィンドウに二胡が2本飾ってある。1本は蛇ではなく羊の皮が張ってあった。これは問題外だな・・・もう1本のほうをしげしげと眺める。値段はニッキュッパである。初心者用の二胡は紅木という木材で作られているものが多いが、高級品の黒檀製は乾燥した北京で好まれて造られ、湿気の多い日本の気候に合わないらしい。連れて帰ろうかと思ったけど、値札にメーカーと型番が書かれているのが眼に留まった。ネットで探したら同じものがもう少し安く手に入るかな?予想通り、更に1万円ほど安い。バッタモン屋(安売り量販店のこと)では1万円を切っている!あれこれサイトを見ているうちに、商品と画像が違う店があることに気がついた・・・危ない危ない。
良心的なサイトもあって、在庫品から皮の模様を選ばせてくれるところもあった。模様から良し悪しがわかるかも・・・確か家人が「頭より尻尾のほうが良い」と言ってたな。興味ない振りして、しっかり調べてるやん。・・・ということで、今度は「二胡 蛇皮」と入れて検索してみると、ひとつのサイトに行き当たった。それは神戸元町にある専門店で、店主がプロ奏者であるという。

そこにある初心者用の二胡の写真と先ほどの良心的な通販楽器店の写真を見比べてみた。値段は前者のほうが倍以上高い。値段からすれば当然かもしれないが、後者の二胡はオモチャに見えたのだ。理由は、花窓の素材や造り。音に影響がありそうなのに鉄格子のようにガッチリ作られている。このデリカシーの無さにガッカリした。それに比べて神戸の店は初心者用といえど、工房での手作りとあった。この言葉が私を惹きつけた。
そして、このときまで知らなかったのだが、二胡には、北京二胡、上海二胡、蘇州二胡とあって、通販店のは上海二胡、神戸の店のは“日本人好みの音”の蘇州二胡だそうだ。自分がどのような音を求めているのかわからないけど、日本人好みならまず間違いないかも・・と思った。なにより、神戸なら実物を見て買えるし、プロ奏者で教室も開講している店主が自信をもって売っている商品である。西洋楽器を中心とした総合楽器店とは違う。翌日さっそく出かけて行った。この日に買わないと練習に参加するのが更に遅れるという事情もあった。

雑居ビルの重い鉄の扉をノックして開けると、サイトの店主がにこやかに迎え入れてくれた。
練習用の二胡を見せて欲しいというと、二十数本飾ってある一番手前、“おすすめ”のポップのところから取り出してきた。自分で弾いて見ますか?と訊かれたが、全く弾けないことを告げると、弓をつけてしばらく演奏してみてくれる。「こんな感じです」店主は満足そうに言う。言われても良し悪しはよくわからない。けれども、家人が弾いているバイオリンのようなノコギリ音や雑音は無かった。小さいのに結構大きな音が出るというのが最初の生音の印象だった。数本の中から選ばせてもらえるかなと思ったが、もうこの初心者用もわずかしか残ってないと言うし、店頭には他に置いていなかった。当然良いものから売れていってるだろうから、何も言わなかった(事実、この1週間後に売切れてしまった。セーフ^^;)。それに竿の色も蛇皮の模様も私の好みであった。てっぺんの飾り?の白いところは牛の骨だという。
すごく説明の詳しいこの店のHPとは違い、店長はもの静かな人だった。私がHPを見て来たと言ったから説明不要だと思ったのかもしれない。もし饒舌に他の商品の説明を語りだしたら、逆に嫌になってただろう。実は店に入るまではまだ少し購入を迷っていたのだ。やはり楽器代+月謝は痛い。しかし、数日前の家人の「2万円ぐらいの買い物に何を迷ってる?」という言葉にちょっとムカツいたので、ここへ来たのだ。家人の口座から引き出したお金で支払って(笑)、取り扱いの注意を受け、「上達したら聴かせて下さい」という店主の言葉を背に店を出た。

そうして、素晴らしい動機も無いまま、練習開始。
目標は、五月天の「知足」かニコラスの「玉蝴蝶」を二胡で弾くことある。(^^)v
聴かせられるようになったらネットにも載せたいです。

[5月19日追記]
練習に2回参加してわかった事ですが、二胡はギターやバイオリンと違って、奏者の手の大きさに合わせてピッチ(音1度の間隔)を変えられるんです。それに弦をぎゅうっと押さえなくてもいいらしいです。つまり、非力だからとか、手が小さいからという今までの挫折理由はもう使えないってわけ。(^_^;)
by keiko_chen | 2006-05-11 10:52


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